設立趣意書
日本企業が成長を遂げた「経済発展モデル」は、東南アジア諸国連合(ASEAN)を含めた東アジア域内での生産ネットワークの形成に寄与したと言われています。
アセアン諸国の経済成長が急速に進展していく中で、東アジアを中心に多数の生産拠点が形成され、今では、アメリカ大陸、豪州など、環太平洋レベルに至る国際的な生産ネットワークにまで拡大・発展しています。まさに、「21世紀はアジアの時代」と言われる所以です。
世界はグローバル化の渦中にありますが、これを嘆くだけでは問題の解決にはなりません。むしろ、これをチャンスとしてとらえ、積極果敢にグローバル化の中に自らが飛び込み、グローバルに変身させていくことこそが、生き延びる道につながるものと考えます。
政府間レベルにおいて、国家の枠組みを超えた新たな経済圏構想の設立や、特定の国や地域との経済連携の取組みが進められています。本年1月に、安部総理大臣と岸田外務大臣が、就任後最初に訪問されたのがアセアン諸国であるということは、我が国がアセアン諸国との関係強化を目指していることにほかなりません。
「失われた20年」とか「デフレ」と言われて久しい日本経済にも、再生の息吹が感じられるようになってまいりました。これを確かなものにするためには、政府の取り組みのみならず、地域の力を十二分に発揮し、国と地方が一心同体となり、経済成長を確かなものにしていかなければなりません。
幸いに、広島には、「原爆ドーム」と「厳島神社」という二つの世界遺産を抱え、東京や京都などに次いで高い知名度を有するだけでなく、モノづくりの伝統と秀でた技術を有し、国の内外からも注目を浴びています。
広島は、国内でも有数の移住の県です。海外の各地に広島県人会が結成され、国際交流の担い手として活躍される一方、県内には、様々な国際交流団体が活発な活動を展開されています。広島には、「国際交流」という気風が漲っています。
私たちは、海外企業の有する優れた技術や人材を活用して日本企業の生産性向上に役立てる一方で、アセアン諸国を含め、発展途上国のインフラ整備や人材育成に貢献し、世界から信頼される国として復活を果たしていかなければなりません。
あたかも、本年は我が国とアセアン諸国との友好協力関係が始まってから40周年を迎える記念すべき年でもあります。
こうした中にあって、広島の地において産学官の持てる英知を結集し、アセアン諸国と相互理解と交流を深めていくことを願い、広島アセアン協会を設立しようとするものであります。
平成25(2013)年4月9日
広島アセアン協会設立発起人一同
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